「フィーノ」が取り組む
医療用ウィッグプログラム
HAIR TOUCH YOU のばせば届く。
私の髪が、誰かの力に生まれ変わる。「カラー毛もOK」finoが叶える新しいヘアドネーションの形とは?
乳がんサバイバーになってから、医療用ウィッグに関心を持つようになった私、ライター・さかいもゆる。それは治療中に、思うようにおしゃれを楽しめないことがどれだけしんどいかを痛感したから。
医療用ウィッグを必要としている人のために髪を寄付する「ヘアドネーション」。私のまわりでも実践している人が多い社会貢献ですが、ヘアドネーションといえば“きれいなバージン毛”というイメージが強いですよね。やりたい気持ちはあっても「カラーやパーマをやめて、ゼロから伸ばすのはハードルが高い……」と感じている人は多いのでは。それに、寄付したあとの自分の髪がどんな形で、どんな方に届けられているのかを知る機会って、実際には少ないような気がします。
そこで今回、ヘアケアブランド「fino」の、医療用ウィッグに関わるすべての人をつなげるプログラム『HAIR TOUCH YOU のばせば届く。』を取材。集まったドネーション毛から作った医療用ウィッグを、実際に必要とされる方にお渡しする会に行ってきました。
そこにはきれいになる楽しさと選択肢があることを大切にする、ヘアケアブランドならではの想いがありました。
一人ひとりに合わせた
“似合わせ”カット&カラーも。
「おしゃれ」の選択肢を広げる、
finoの医療用ウィッグ・プログラム
50代になってから、自分ができる社会貢献について以前よりも考えるようになりました。例えば寄付金などのほかに、身近なことで私が役に立てることって何だろう。そんなときに知ったのが、finoの医療用ウィッグプログラム『HAIR TOUCH YOU のばせば届く。』。
これはヘアケアブランドであるfinoが、髪を寄付する人と受け取る人、その架け橋となりサポートする人と、医療用ウィッグに関わる方々の想いを360°の視点でつなげて見える化し、つないでいく仕組みを作ることを目指したもの。誰でも気軽にヘアドネーションできる無料キットを配布し、集まった髪をNPO法人「全国福祉理美容師養成協会」(以下、ふくりび)を通じて、抗がん剤治療による脱毛など、さまざまな理由で医療用ウィッグを必要としている人に届ける活動をしているのです。
驚いたのは、グレイヘアでもカラー毛でも、長さが31cm以上あればどんな髪でも受け付けているということ。さらに本人の希望や、似合うヘアスタイルにカットしてからお渡ししているそう。今回は、そうして完成したウィッグのお渡し会に伺いました。
今回ウィッグを受け取った吉田みさとさんは、昨年の春に乳がんと診断され、6月に手術。その後の抗がん剤治療の副作用で髪が抜けてしまったとのこと。
「職場の乳がん検診に引っかかり、大きな病院で精密検査を実施。乳がんの告知と同時期に妊娠もわかり、手術後に出産をしました。今週末に最後の抗がん剤治療なんです」という吉田さんは3人のお子さんを育てるお母さんで、この日は5カ月の赤ちゃんを連れて、市販のウィッグを着けて参加されました。
「脱毛が始まってからは市販のウィッグを色々買って試していたんですが、病院に置いてあった資料で『HAIR TOUCH YOU』のことを知り応募しました。人毛の医療用ウィッグってすごく高価で、フルオーダーだと20万円近くするので、とても有難いです。今まで使っていたウィッグは化繊のためか、服に擦れるだけでも絡まってしまってメンテナンスも大変。解けなくなった毛先は仕方なくセルフカットで対応していました」(吉田さん)
『HAIR TOUCH YOU』では、応募時に希望の長さやカラーリングの有無を選ぶことができ、吉田さんはミディアムレングス、カラーリングありをリクエスト。スタイリストさんとヘアカタログを見ながら、ピンクみのあるブラウンのカラーリングをオーダー。ヘアスタイルは、どんな感じをリクエストされたのですか?
「実はここに来るまでカラー以外は考えてなかったんです。なのでカットは似合うようにとだけお願いして、スタイリストさんにお任せしちゃいました」(吉田さん)
やりたい髪型やカラーがあれば希望通りに、なくてもその人にきちんと似合うヘアスタイルに仕上げてくれるシステムは、治療などに向き合う中でもきれいでいたいという気持ちにすごく寄り添ったもの。カットする際には、髪が抜ける前の毛量を写真で確認して、ウィッグの毛量を調節。限りなく自然な見た目に近づけるという細やかな対応をしているそう。
吉田さんにとってはじめての人毛ウィッグ。装着されてみた感想は?
「他のウィッグを付けている時にあった、肌にチクチクする感覚が一切なかったのでストレスなく使えそう。今まで大変だったお手入れも、普通の髪と同じようにお風呂でシャンプー&コンディショナーでOKだなんて、すごい! 日常的に使えるウィッグが欲しかったので、すごく嬉しいです」(吉田さん)
『HAIR TOUCH YOU』で提供する医療用ウィッグは提携する他のヘアサロンでカットしてもらうことも可能で、後から長さを変えることもできるそう。さまざまな事情で医療用ウィッグを必要としている方にとって、髪のおしゃれの選択肢を広げてくれるのが、この『HAIR TOUCH YOU』プログラムなのですね。
髪を寄付したい人・必要としている人
双方のニーズをマッチング
fino『HAIR TOUCH YOU』のプログラムの中で、医療用ウィッグの製作などを担当する「ふくりび」さんに、取り組みについてうかがいました。このプログラムは、バージンヘアや黒髪でなくとも31cm以上の長さがあれば、どんな髪でもヘアドネーションできるのが特長。
「黒髪のウィッグが欲しい人もいれば、そうでない人もいる。いろんな人からいろんな髪をもらって、いろんなウィッグを求めているいろんな人に届ける。一度に提供できる数は少なくても、そういうきめ細かな対応をずっと大切にしています」(NPO法人「ふくりび」事務局長・岩岡ひとみさん)
このシステムは最初から自分の髪質に近いウィッグを選べることで、よりナチュラルな仕上がりを実現するメリットもあるのだとか。ただ髪があればよいのではなく、一人ひとりのおしゃれを楽しむ自由を大切にしたいとの想いから、今年はロングにショート、グレイヘアに男性用など7種類のウィッグが用意されたそうです。
一方で、医療用ウィッグを必要とする方々の事情もさまざま。抗がん剤治療による脱毛のほかにも、甲状腺の病気や円形脱毛症、生まれつき髪が少なく伸びにくい「乏毛症」、自分で髪を抜いてしまう「抜毛症」などがありますが、実は、現状ある医療用ウィッグの寄贈プログラムは子ども向けのものがほとんど。大人も対象で、さらにウィッグを必要とする理由を問わないものは、『HAIR TOUCH YOU』以外にはほぼ存在しないのだとか。
また化繊のウィッグをすでに持っていても、あらたまった席などのために、より自然に見える人毛のウィッグを一つは持っていたいという人は多いそう。しかし人毛ウィッグはフルオーダーすると約20万円と高額で、自治体による助成金があるにせよ、気軽に購入できる金額ではないのが現実。そんな中、ウィッグを必要とする人の年齢や性別、理由を問わない『HAIR TOUCH YOU』は、寄付する側と受け取る側の想いとニーズを上手にマッチングしてくれるものだといえそうです。
手続きは簡単、無料でお届け。
finoオリジナルの「ヘアドネーションキット」
ヘアドネーションの申し込みは、fino公式サイトの『HAIR TOUCH YOU』メニューから。finoオリジナルの「ヘアドネーションキット」に申し込むと、送付用の封筒とヘアゴム、ヘアコンディションについて記入するヘアカルテのほか、トリートメントのサンプルというギフトも受け取れます。封筒に切った髪を入れて投函するだけでOKの手軽さが嬉しい。
左から、fino プレミアムタッチ 濃厚美容液 ヘアマスク 230g、fino プレミアムタッチ 濃厚美容液 ヘアオイル 70ml、 fino プレミアムタッチ 浸透美容液 ヘアオイル(エアリースムース) 70ml すべてオープン価格/ファイントゥデイ
またfinoでは毎年、10月のピンクリボン月間に合わせて「ピンクfino」を販売。その売上金の一部はふくりびさんに寄付され、医療用ウィッグの製作など、必要な方に届けるための活動に使われます。
美しくなりたいという願いだけでなく、髪に対するさまざまな想いにもしっかり向き合うfino。ヘアドネーションだけにとどまらないこのような取り組みを知り、それを誰かに伝えることも、立派なアクションのひとつになると感じました。
自分に合った髪色のウィッグ。
着けた瞬間に表情まで明るくなって
カラーリングが終了して完成したウィッグを着けた吉田さん。それまで着けていたアッシュ系ブラウンのウィッグも似合っていらしたのですが、ピンク系ブラウンのこのウィッグを着けた瞬間、顔色がとっても明るく見えて、スタッフからも「素敵、似合ってます!」と歓声が。ご本人も嬉しそうな笑顔になっていらしたのが印象的でした。
「人毛ウィッグだとヘアアイロンが使えたり結んだりもできて、気分次第でアレンジOKだと聞いてびっくりしました。来月友人の結婚式があるのですが、ヘアアレンジするのが好きなので自分でアレンジしてみようかなと思います」(吉田さん)
取材では私も人毛ウィッグを試着させていただきましたが、吉田さんのおっしゃる通り、人毛だと肌に触れてもチクチクしたりすることはなく、見た目もとっても自然。私自身、乳がんの治療中に最もストレスを感じたのが、放射線治療中に好きな洋服を着られずおしゃれを楽しめなかったことなので、さまざまな事情で医療用ウィッグを必要とする人たちがこんなふうに髪のおしゃれを楽しめること、またその選択肢を広げてくれるfinoの活動は素晴らしいと感じました。
こんなに手軽にドネーションできる仕組みがあるならばいろんな人に伝えたいですし、医療用ウィッグを求める一人ひとりの気持ちにここまで寄り添ってくれる寄贈プログラムがあると知れたのは、乳がんサバイバーのひとりとして心強いです。
一人ひとりの想いを繋げていく「HAIR TOUCH YOU」の取り組み。まずは誰かに伝えることから始めてみませんか。
ご希望の方はこちら